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No.56 2005/04/28~2005/05/05掲載
言語と教育 言語教育法・実技(実習) 

次の問1~問3は、外国語教授法及び教室活動について記述したものである。それぞれ不適当なものを一つ選べ。

問1)

  1. 文法訳読法は、中世ヨーロッパにおいて古代ローマ語やラテン語の文献を読むための、いわば教養のための外国教授法として生まれた。
  2. 直接法といわれる外国語教授法は、文法訳読法に対する反動、つまり「話す・聞く」能力がつかないというところから生まれた。
  3. オーディオリンガル・アプローチの原型となったのは、第二次大戦中にアメリカ陸軍が行ったASTPといわれる外国語教授法である。
  4. オーディオリンガル・アプローチの最大の長所は、学習した文型が日常生活の場面ですぐに応用できるということである。

 
問2)

  1. フラッシュ・カードと呼ばれる補助教材は、文型のフレームなどを短冊に書いたもので、学習者に指導項目を印象づけるためにつかわれる。
  2. ピクチャー・カードと呼ばれる補助教材は、指導項目や場面を絵や写真で表したもので、学習者にわかりやすくするために、なるべく簡略化した内容を心がけるべきであり、色などはつけないほうがよい。
  3. ひらがなやカタカナの学習が修了していない学習者に対して日本語のフラッシュ・カードを用いるのは、効果がない。
  4. 成人学習者に対してピクチャー・カードを使うのは、場合によっては「子どもっぽい」といって嫌う人もいるので、教師側は学習者の学習スタイルのことも知ったうえで、授業の構成を考える必要がある。

 
問3)

  1. 文型練習とは、オーディオリンガル・アプローチにおいて使われる中心的な教室活動であり、その理論的な背景となっているのは行動主義心理学である。
  2. 文型練習の最も基本的なものは、ミム・メム練習といわれるものであり、この練習で学習者が発話できない場合は、次の練習に移ってはいけない。
  3. 文型練習の文型とは、特定の内容を表す言葉(キュー)が入れ替わっても、その構造的な意味は変わらないような枠組み(フレーム)のことで、日本語教育では初級・中級・上級とそれぞれの段階でフレームの数が決まっている。
  4. 文型練習で最も大切なことは、学習者が学習した文型を反射的に口からでるまで繰り返すことであり、単に正確に言えればいいということではない。

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【解答】

問1) 4
問2) 2
問3) 3

【解説】

問1)

オーディオリンガル・アプローチの弱点としてよく指摘されることであるが、教室で学習した内容がなかなか現実場面で使えない、応用が利かないという面がある。 ASTPとは(Army Specialized Training Program)の略で、俗にアーミー・メソッドとも呼ばれる。

問2)

ピクチャー・カードで示される内容は指導項目に焦点を絞ったものでなければならない。特に写真などを使う場合は余分な情報が入っていないかどうか(学習者が指導項目以外のものに気をとられることがないかどうか)をよく点検する必要がある。内容はできるだけ具体的なものが望ましく色がつけられるならつけたほうが注目度という点で効果が高い。

問3)

構造シラバスによる教科書では、初級用のものはどの教科書を使ってもほぼ同じ文型が扱われるのが一般的である。しかし、中級以上(構造文型による初級学習修了以上の学習者)は、そのニーズ領域が学習者により異なり、当然そこで扱われる文法事項も異なるのが普通である。

 



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