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No.511 2015/04/07~2015/04/13掲載
言語一般 日本語の構造 意味体系

 

次の文章を読み、下の各問いに答えよ。

【比喩】

 「頭が痛い」と言ったときには、文字通り「身体の一部としての頭が病気などの理由により痛い」という意味を表すこともあれば、別に「非常に心配している、悩んでいる、苦労している」といった意味を表すこともある。我々は文脈によってどちらの意味であるかを理解しているが、これほどかけ離れている二つの意味をなぜ理解できるのであろうか。

 それは、「頭」の原義としての「脳の部分」ということと、そこから派生しての「脳の働き、思考力」という転義の結びつきが了解されているからと考えられる。深く日常生活に結びついているのでそれとは気づきにくいが、こういった表現は実は立派な比喩なのである。比喩の代表的なものに、A隠喩(メタファー)B換喩(メトニミー)、(ア) に基づく提喩(シネクドキ)などがある。上に挙げた「頭が痛い」は換喩(メトニミー)の例である。身体部分を表す語を使った類似表現としては、他にも「手を汚す」「C腕が上がる」など多数見つけ出すことができるだろう。

 

問1)

文章中の下線部Aについて、「足」の解釈に「隠喩(メタファー)」が関わる例として最も適当なものを、次の1~4の中から一つ選べ。

  1. 一郎はとても足が長い。
  2. 不況で客の足が遠のいた。
  3. 脚立の足にひっかかった。
  4. あそこは足の便が悪い。

問2)

文章中の下線部B「換喩(メトニミー)」を使った例として最も適当なものを、次の1~4の中から一つ選べ。

  1. 朝食に目玉焼きは必須です。
  2. あの人はとにかく耳が早いね。
  3. このビンは口が小さいので入れにくい。
  4. アンパンのへその周りについているのは何ですか。

問3)

文章中の  (ア) に入れる語として最も適当なものを、次の1~4の中から一つ選べ。

  1. 類似性
  2. 包摂関係
  3. 隣接性
  4. 類縁性

問4)

文章中の下線部C「腕が上がる」はどの比喩と言えるか。最も適当なものを、次の1~4の中から一つ選べ。

  1. 直喩   
  2. 隠喩  
  3. 換喩    
  4. 提喩

 

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【解答】

問1) 3

問2) 2

問3) 2

問4) 3

【解説】

問1)

1 は原義の足。2 は「来ること」、4 は「交通、移動」の意でどちらも隣接性に基づくメトニミー。

問2)

「聞くこと」と「耳(聞く部位)」の隣接性に基づく。他はメタファー。

問3)

包摂関係以外に、上位語・下位語の関係でも同様の趣旨。

問4)

この「腕」は「技量」「能力」。特に「腕、手」を使ってする作業の技量。隣接性に基づく。

 

 



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