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No.426 2012/10/02~2012/10/08掲載
言語一般 日本語の構造 音声・音韻体系

次の文章を読み,下の問いに答えよ。

 二つの語が結合して新しい複合語をつくるとき,後部要素の初頭モーラ(拍)が濁音化する現象を ㋐ という。音声学的には,母音と母音のあいだに挟まれた無声子音が母音と同じ有声の音に変わる同化現象と考えられる。これに似た現象は多くの言語に観察されているが,日本語に特徴的なのは「 ㋑ 」のような交替があることであろう。

 しかし「ねふだ(値札)」「あいかぎ(合鍵)」のように後部要素に濁音を含んでいる場合には,この現象は起こらない

問1) 文章中の ㋐ に入れるのに最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。

1. 畳語     2. 連濁     3. 連声     4. 音韻融合

問2) 文章中の ㋑ に入れるのに最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。

1. はいら(灰皿)    2. ほんこ(本箱)    3. うでけい(腕時計)    4. はるすみ(春霞)

問3)  文章中の下線部の現象について最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。

1. 異化     2. 同化     3. 口蓋化     4. 相補分布

問4) 次の複合語の変音現象のうちで,他と性質の異なるものを,次の1~4の中から一つ選べ。

1. 金網     2. 酒屋      3. 詩歌      4. 船旅
 

問5)

日本語指導では学習者の母語と濁音との関係に注意を払わなければならないことがある。このことについて最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。

  1. 中国語は,息の有無が意味の区別に関係しない。
  2. 朝鮮語は,声帯振動の有無が意味の区別に関係する。
  3. 中国語と朝鮮語は,ともに息の有無が意味の区別に関係する。
  4. 中国語と朝鮮語は,ともに声帯振動の有無が意味の区別に関係する。

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【解答】

問1) 2
問2) 2
問3) 1
問4) 3
問5) 3
 

【解説】

問1)

3の連声は「インエン(因縁)」→インネン,4の音韻融合は「かりうど→かりゅうど」のような現象のこと。

問2)

2の[h]と[b]は音声学的に有声無声の対立はしていないにも関わらず濁音化している。

問3)

同化現象と逆で,似たような音になりすぎても発音しにくいことから起こる現象。

問4)

3は音韻添加,他は母音交替。

問5)

中国語,朝鮮語では,有気音・無気音が対立する(意味の区別に関係する)。

 



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